《MUMEI》

「‥ひまちゃんもう寝ちゃった‥?」

「ぁぁ‥ちょっと前にな」

「‥そっか」

「那加は眠れないのか‥?」

「‥ううん、今寝る」





瞼を閉じたまま、

那加は呟いた。





「おやすみ‥」

「──ぁぁ、おやすみ」





茶色味を帯びた髪を、

そっと撫でてやってから、

俺も目を閉じた。





手を握ったまま──


時計の音が遠のいていく。





──那加が、

何かを囁いたような気がする‥。





穏やかな声で。





何を言ったのかは分からない。





けど、

たぶんこう言ったんだと思う。





──大好き=B

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫