《MUMEI》

でも、

先生が手紙の最後で、

チョコシロより好きだって──

そうあたしの事を思ってくれてるのが分かって、

凄く安心した。

──それからだ。

あたしが、

チョコシロを‥

先生ほどじゃないけど、

好きに思えるようになったのは。

「──先生」

「ん‥?」

「あたし達さ、幸せになれるかな」

「んー‥まぁ大丈夫だろ」

「ほんとに大丈夫だと思う‥?」

「俺は嘘はつかないぞ?」

「───────」

「祖母ちゃんも母さんも詩織も、それに──お前の両親だって、絶対納得してくれるはずだからさ」

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