《MUMEI》









「……裕斗、俺やっぱ帰ってみるわ」






秀幸は鍵を掴み立ち上がる。





「…まーなんだ、俺も若い頃は3日ぐれー寝ねーで遊びったれた事もあったしよ。
今日も頑張って加藤君の傍にいてやれ?……今日一日までは多少目えつぶってやる、





浮気のお仕置きは覚悟しとけ、後でたっぷりご奉仕してもらうかんな」





病室に戻ると惇はまだ眠っていた。
よほど薬が効いているのだろう。




平山さんが何やら書類に書き物をしながら、さっき惇の両親が来て今主治医から説明を聞きに別室へ行っている最中だと教えてくれた。







「さすがにもうごまかしきかないかな…、事務所の方と主治医の方からマスコミに発表する事が決まったよ、惇は当分仕事は無理だ、……


鬱からくる症状が心臓発作まで引き起こしている……





もしかしたら……








引退かもな……」






平山さんは頭を掻きながら深くため息をついた。




「惇の奴もうちょっと図々しくて貪欲だったらな〜、






…真面目すぎんだ、何事にも…



まったくなんでも気にしすぎてしょい込みすぎて発散が下手くそで…、





は〜…、此処まで顔が調った可愛いらしいキャラ他にいないぞ?
…勿体ないなあ、




いや、今まで地道に頑張ってきた努力無駄にさせんのは切なすぎだって……




潮君頼むよー…



惇の事もっと守ってやってくれよー…」

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