《MUMEI》

「ぁ、それより‥」

「?」

「今日、仕事帰りに千代子ちゃんの両親に会ったんだけど‥」

「ぇ」

あいつの両親に‥!?

「とっても優しそうな人達だった」

「本当か‥?」

「お兄ちゃんも、会ってみれば分かるよ」

「会ってみれば、か‥」

「よしっ!」

「!?」

「文化祭が終わったら縁談に行く」

「ぇ!? は‥早くない‥?」

「だって──俺とあいつと気持ちはもう決まってるしさ」

「───────」

「──2人共、ご飯にしましょ〜」

母さんに呼ばれて、

俺と詩織はテーブルに着いた。

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