《MUMEI》

「──お兄ちゃーん、遅刻するよー?」

「‥? ──!!」

何時だ今‥。

「まっずい‥」

いや、

まだ何とか間に合うか‥。

「あ、お兄ちゃんおはよ──」

「珍しいわね〜詩郎が寝坊だなんて」

「ぃゃ‥何だろ、最近あんまり寝付けないんだよな‥」

「千代子ちゃんの事が気になって?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「まぁ、取りあえず朝ご飯食べて行ってらっしゃい。ねっ」

「‥ぁぁ‥」

そうだな。

取りあえずは、

遅刻しないようにしないと‥。

──いつもより、

少し慌ただしい朝。

けど、

たまには悪くない──

そう思った。

□■□

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