《MUMEI》

「まあ、若い男女なら
これくらい当たり前じゃないの?」


意外な言葉。昔の和成からは想像出来ない。

「サイテェ……」
声に出ていた。

高校生だもの和成も恋仲みたいな流れになったこともあるのかもしれない。

でも、なんかフケツ。

「ナントカルナって可愛いやつだったよな」
男も「可愛い」っていう解釈なんだ。


「あんなやつ、絶対に有り得ないから。」

「恋人同士って好きじゃないといけないのかな?」

「そういう訳では無いのかもね。」


「その言い方だと認めてることになるよ。」


「……私は特例かも。」
にやっと口角が上がる。


どちらからとなく笑い声が出た。



「   いいね

 いい子だ、なづき。


これで宿題が出来れば。
   最高だね?」
和成は目線を合わせて

私のやたらに上向きで目に掛かりそうな髪を一房、人差し指で耳の方へ避けた。

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