《MUMEI》 丁度いい日陰になっている、 桜の下で。 那加は、 俺の隣りで目を閉じて、 そよ風に髪を揺らしている。 「───────」 「あったかいな、今日も」 「うん」 那加は、 小さく頷いた。 少しだけ那加の髪を触ったら、 那加は、 ビクッと肩を上げて俺を見た。 「なっ‥何するのよ日向‥」 「綺麗な髪だな、って」 「!?」 目を真ん丸に見開いて、 那加はほっぺたを赤くした。 「な‥何ばか言ってるのよっ、そんな事‥あたしは‥」 前へ |次へ |
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