《MUMEI》

「喜ばない、か?」

「嬉しくないもん」





そう言ってはいるけど。





本当は嬉しいんじゃないか、

と俺は思う。





だって──

顔が赤いし。





それに、

本当に嫌な時は、

那加は腹痛を起こすはずだから。





「手、放した方がいいか?」





まだ那加の髪に触れたままの手を、

放そうとすると。





「‥このままで‥別にいいけど」





そう返事が返ってきたから、

少しこのままでいる事にした。





「──那加──」

「っ、何よ」

「他に命令ないか?」

「ぁ‥あるわよっ、あるに決まってるじゃない」

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