《MUMEI》 「──お、じゃあ佐原のはここに飾るな」 先生は、 あたしの分の色紙を壁にかけてくれた。 「おー、結構いいなぁ」 「中身はグダグダだけどね」 「そうかぁ? いいと思うけどなぁ」 「ほんとに?」 「本当だって」 「ぁ‥そうだ先生」 「ん?」 「一緒にさ、見て回らない?」 「今日をか?」 「うん。だってあたし達展示だし──どうせヒマじゃん?」 「まぁ、暇っていえば暇‥だよなぁ」 「だから行こうよ。ねっ?」 「──ぁぁ‥そうだな、行くかっ」 前へ |次へ |
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