《MUMEI》

「──よし、編めた」





やっと、

三つ編みをしてやれた。





「ひなた」

「ん」

「鏡、ある‥?」

「鏡‥」





‥ない。





病室にならあるけど‥。





「今持って来るから──」

「いい」

「ぇ」

「後でいい」

「じゃあ──」

「ねぇ」

「‥?」

「似合う?」





俺を、

遠慮がちに見て、

那加はそう訊いてきた。





「似合う?」

「──ぁぁ、似合う」

「ほんとに?」

「ほんとに」

「───────」

「リボンでも似合うかもな」

「リボン?」

「ぁぁ」

「リボン‥」





那加は、

少し照れていた。

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