《MUMEI》
真司視点
(守も青春してんな)


百面相しながら着替えをする守を見ながらしみじみ思った。


俺の近くにいる連中は、割と一生懸命青春してると思う。


志貴に一途な拓磨も


祐也とはしゃぎながらも、拓磨が気になる志貴も


恋愛面はさっぱりだが、何だか一生懸命な感じの祐也も


皆、それぞれ普通に青春していると思う。


(それに比べて俺は…)


どこか、冷めていると、自分でも思う。


(まぁ、いいか)


彼女もいる。


友達もいる。


部活も順調。


ごくごく普通の高校生活を満喫している、俺。


これ以上望んでは、バチがあたる。


(それに…)


俺には、夢がある。


誰にも譲れない、大事な夢が。


それが叶うのなら…


俺はきっと、この生活をアッサリ捨てるだろう。


「何笑ってんだよ。つーか、お前は彼女はいいのか?」

「あー、今日は友情優先」

(最近ウザイし)


「は?」

「全校生徒に睨まれてる守君を守ってやるよ」

「…オネガイシマス」

「どういたしまして」


俺は笑顔でうつ向く守と一緒に体育館に向かった。

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