《MUMEI》 柊視点(あ〜も〜幸せ!) 昨日の失態も忘れ、俺は浮かれていた。 だって、希が隣にいるから。 俺と希は、いわゆる恋人繋ぎをしつつ、校舎内を見て回っていた。 (憧れだったな〜、このシチュエーション) 希が明皇に来てくれた時もやったが、俺は何度やっても幸せだった。 ずっとずっと、希が好きだったから。 希は俺の初恋の相手 そして、きっと希は俺の最後の恋の相手 希以外、好きになるなんて考えられない。 (祐也に感謝だよな) 俺と希が付き合うきっかけをくれたのは、祐也だから。 俺は、初対面の時から祐也が気に入っていた。 高山の名前や俺の外見を気にせず、ごく普通に接してくれたのは、身内以外で祐也が初めてだったから。 (一時期、よそよそしくなったけど…) 周りが俺を特別扱いしているからと、祐也に避けられた時は悲しかった。 (でも、今は友達だし!) そして、俺は大好きな彼女の希と 大好きな友達の祐也の晴れ姿を見るために 体育館に向かった。 前へ |次へ |
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