《MUMEI》

先生に引っ張られるみたいにして、

廊下の陰から出た。

それから、

まだ回ってない教室をいくつか回って、

また屋上に戻って来た。

「やっぱりここが落ち着くなぁ」

「──ねぇ、明日来るんだよね‥家」

「おう、ちゃんと話しに行くからな」

「‥何かやっぱり心配だな‥、──ぇ」

何か、

抱‥

抱かれてんですけど‥っ。

「大丈夫だ、って言っただろ?」

「ゎ‥ゎ‥分かってるけど」

ていうか放して‥。

「ちょっと先生、痛‥痛いってば先‥」

「───────」

「センセイ‥?」

全然聞いてないみたい‥。

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