《MUMEI》
やろうよ。
次の試合に備え、


海南クラブ、


秀皇大学が準備を始める。


「アップ始まるから邪魔ならないように外行こう。」


「え?
クロさんアップは?」


「大丈夫だよ。


あと30分くらい。


それよりすぐミーティングしよう。」


「は〜い。」


赤高の選手たち、


クロと翔太の2人は、


ミーティングの為に体育館を出る。


体育館では2チームのアップが始まった。


海南クラブと秀皇大学の試合は、


この練習会では最後の試合ということもあり、


帰り支度を始めるチームも少なくなかった。


ヤマト、


恭介の2人は、


テーピングを巻き替える為にアップには参加していなかった。


「…秀皇か。」


「…どうした急に?」


「や、


もしかしたら俺たち…


もちろんクロも含めてこのチームにいたのかもしれないんだなって。」


「ふん。
い〜じゃん。」


「…何が?」


「俺がいてクロがいる。


お前と翔太は予想外だったけど、


望んだ以上の展開だよ。」


「…うざ!!


カッコつけたの?


中二病かよ!!」


「うっせ〜よ!!
お前が振ってきたネタだろ!!」


笑いながら話す2人だったが、


一瞬、


恭介の表情が変わる。


「…なに?」


テーピングを巻き終えた2人に、


恭介の姉春奈が話し掛ける。


「あのね…」

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