《MUMEI》

「4時間!?」

「12時半にここに運ばれて──今もう4時半だし」

「‥そんなに寝てたのか‥俺‥」

「でも、お陰でいいもの見せてもらったからいいや」

「いいもの‥? 何だ‥?」

「ひーみつー♪」

「秘密なぁ‥」

「あ、そろそろ始まるよ閉会式」

「よし、じゃあ行かないとだな──」

「その前にさ、えっと‥」

「?」

「着替えないと」

「‥ぁ、そうだったそうだった──」

先生は、

すっかり忘れてたみたいだった。

ベッドから降りて、

三谷先生と保健の先生にお礼を言うと、

あたしを連れて廊下に出た。

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