《MUMEI》

最後の客が帰ったら早めに賭場を閉めようと、菊池と二人で話し合っているときだった。



――――…ピンポーン…



不意にマンションの呼び鈴が鳴った…。



『客か?…』



菊池がインターホンの受話器を取る。



『ピザ屋さんスか?』



『いえ…○○新聞の者です…。』



「合い言葉」は合致した。



菊池は肩をすぼめて受話器を置いた。



『仕事ね?』



『だな…(笑)』



菊池は、やれやれといった様子で応対に出ていった。

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