《MUMEI》

──閉会式の間、

あたしは‥

ずっと先生の視線が気になって仕方なかった。

何でか、

先生は絶対あたしを見てくる。

「──楽しかったな、佐原」

「ぅゎッ‥」

「──ありがとな」

「ぇ」

「佐原と一緒に回ったりして──色々楽しかった」

「‥ぁ‥あたしも‥」

「よしっ、明日は気合い入れて行くからなっ」

「──うん」

明日、

先生はあたしの家に来て──

縁談をするらしい。

親‥

分かってくれるかな‥。

ダメって言わない可能性はない。

だってあたし達は‥

生徒≠ニ先生≠ネんだから‥。

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