《MUMEI》
佐原家での縁談【詩郎side】
□■□

「‥‥‥‥‥‥‥」

【佐原】

「‥‥‥緊張するなぁ──‥」

今、

俺は佐原家の扉の前にいる。

‥縁談をする為に。

俺達が将来結婚する事を、

認めてもらう為に。

「‥よしっ‥」

行くか。

インターホンを、

鳴らす。

「──はーいっ」

元気な声。

「どちら様ですか?」

「佐原の担任の春日井といいます──」

「はいはい、今開けますね〜」

すぐに、

扉が開けられた。

「春日井先生、いつも娘がお世話になってます。さっ、どうぞ──上がって下さい」

「は‥はい、お邪魔します──」

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