《MUMEI》

アイスケーキにロウソクを立てて、

病室の明かりを消した。





俺と佳代子さんで、

バースデーソングを歌う。





──歌が終わって、

那加がロウソクの火を吹き消した。





一息で。





「ひなたぁ、早く切ってよ」

「──ハイ、姫サマ」




ロウソクを抜いて、

アイスケーキにナイフを入れる。





「ちょ‥ちょっと、そんなにおっきく切らないでよっ」

「姫サマの誕生日ですから」





ニッコリ笑って俺が言ったら。





「〜〜〜〜〜〜‥」





那加は、

赤くなって、

それを隠そうとして俯いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫