《MUMEI》

その頃の私は、今よりもっと口数が少なくて‥毎日苛められてばかりだった。





影で囁かれたり‥囲まれて悪口を言われたり。




仲間外れにされたり‥。





誰にも相談出来なくて‥隠れて泣いてばかりいた。





教室にいるのが辛かった。





だから休み時間になると、必ず屋上に行っていた。





誰もいない屋上に。





そこで、空を見るのが好きだった。





碧い空を見るのが。





でも、私の心にはいつも雨が降っていた。





そんな時──先生に出会ったんだ。





日溜みたいな笑顔の、先生に──。

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