《MUMEI》

「──先生」

「?」

「ありがとね」

「ぇ」

「親に話してくれて──ありがと」

「───────」

「先生?」

「よしっ」

「ぇ」

「指輪見に行くか!」

「はい!?」

佐原は、

素頓狂な声を出した。

かなり、

ビックリしたみたいだ。

「何も今から行かなくても‥」

「いや、結婚決まったからには選んでおかないとっ」

「せっかちなんだから‥」

「よしっ、今から行くか」

「ぇ〜? めんどいし‥」

「いいだろ? 見に行くだけならいいって──お前言ってたし」

「──分かった。じゃあ行こっ」

佐原は、

早速俺を引っ張って歩き出す。

その手が、

凄く暖かかった。

□■□

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫