《MUMEI》

「どういう根拠で?」

「ぇ、根拠‥?」

「何となく──でも別にいいけど、やっぱ気になるし」

「似合うって思うからだな。それに──」

「それに‥?」

「お前が、俺にとってはダイヤだから」

「ぇ」

あたしが‥

ダイヤ‥?

「なッ‥」

何言ってんデスカ‥?

「よしっ決めた。これにしよう」

「──って買うの!?」

「だって、決まったし──」

「早いってば‥」

「その頃にはなくなってるかも知れないぞ?」

「‥ぅ‥」

丸め込むの上手いんだよね‥

先生って‥。

「てか、先生そんなお金──」

「貯めといたやつだから心配するなって」

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