《MUMEI》

…また、
ピタッと動きが…。

…気まずいな…。

聞かれたくなかったかな…。



「…この紅茶、
めちゃくちゃうまいな!!

やっぱり
庶民の味とは
違うわ!!」



…て…

俺だけ
テンション高いとか
かなりハズい…。

莉愛、
おかしくね?



「……莉愛…?」


「あ…ごめん、
ボーっとしてた…」



…明らかに…
可笑しいだろ…。

何かあんのか…?

もしかして
もういないとか?


そうだったら
俺、かなり
嫌な奴じゃん!!



「…紅茶…
美味しい?
いっぱいあるから
少しあげよっか?」


「マジ?
サンキュー」



ひきつった笑顔で
立ち上がった莉愛。



…その時にさ、
不意に見えたんだ。


…Yシャツの襟が
ちょっと
ズレた瞬間に…






.

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