《MUMEI》
松本美鈴視点
『何で見分けられるの?』


(そんなの…答えは決まってる)


私が、厳君が


厳君だけが、好きだからだ。


(覚えてないんだろうな、きっと)


実は、私と厳君の本当の出会いは、去年の夏。


友達に誘われて、嫌々やってきた海。


『ハズレがいるじゃん』


ズキッ


ナンパ男の一言が痛かった。


『ま、おまけ付きでもいいや。遊ぼうよ』

『いいよ!』


私は、…何も言えなかった。


イヤダ…


『俺おまけ好きなんだよね』

『え…?』

『行こ!』

『えぇ?』


助けてくれたのは


ナンパ男とは、比べ物にならないほどかっこいい男の人。


『何だよ厳、ナンパか?』


それから現れた、同じ…


だけど、冷たい男の人。


『人助けだよ〜』

『嘘クセー』

『ほ、本当です。ありがとうございました』

『いーえー、じゃーね!』


それから、無邪気に泳ぐ二人を遠目に眺めていたら


『ちょっとお話いいかしら?』

『はい?』


ものすごく姿勢のいい、年配の女性と、優しそうな男性がいた。


それが、高山果穂さんと大志さんで、私は二人に厳君の恋人に…花嫁になれるチャンスを頂いた。

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