《MUMEI》

「でさぁ、碧依──」

「ん?」

「まだ告ったりはしてないんだ?」

「うん‥」





ラブレターとかも書いてみたりしたんだけど──結局渡せないまま‥。





「はぁ‥」

「思い切ってアタックしてみたら?」

「ぇえっ、む、無理だよ‥っ」





出来ないよ‥私には‥。





「何なら、アタシが渡して来てあげよっか?」

「ぇ‥」





一瞬‥‥弱い心を甘えたい気持ちが支配する。





でも‥。





「‥‥‥ううん、未玖に迷惑かけたくないし‥、それに──‥」

「それに?」

「これは、私がやらなきゃいけない事だから──」

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