《MUMEI》

「那加、その2つは開けないのか‥?」

「──お父さんたちからの‥?」

「ぁぁ」

「───────」





那加は、

少しためらいながら、

箱の包みを丁寧に開いていく。





「‥ぁ」





長方形の箱の中身は、

腕時計だった。





そして、

もう一つの箱の中身は‥





「何‥? これ‥」





那加には、

あまり馴染みのないものみたいだった。





「ひなたぁ、何これ」

「バレッタ‥じゃないか?」

「何? バレッタって」

「髪留め」

「髪留め‥?」

「ぁぁ。──ちょっと三つ編み解いてみてもいいか?」

「‥何でよ」

「せっかくだから──付けてやろうと思って」

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