《MUMEI》

「──もう秋なんだよね、そういえば」

「そうだなぁ」

「‥あのさ?」

「ぁぁ」

「あたしね‥」

「どうした?」

「嬉しかった」

「嬉しかった‥?」

「コロネ分けてくれた事も、勉強教えてくれた事も、デートに連れてってくれた事も──指輪買ってくれた事も、ぜーんぶ嬉しかった」

「おー、そうかぁ」

嬉しそうに、

先生はあたしの頭を撫でてくる。

「いやー、てっきり無理矢理でやな思いさせてたらとか思ってさ──、何か安心した」

「ずっとあたしがやだって思ってると思ってた‥?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫