《MUMEI》
あの頃の夢
「おい!また背が縮んだんじゃないかぁ?小すずぅ〜」

「わ、私は『小すず』なんて名前じゃなくて『すず子』です!チビで悪かったわね!」

小学5〜6年の頃の私は背が低く名前が『鈴子』だったのでよく『小鈴』とからかわれて怒ってはクラスの男子を追いかけ回していた。

「小すずになんかに捕まらないよぉ」
特に中山 祐二。男子からは『祐ちゃん』と慕われている 中山に目をつけられいた。

「待ちなさぁいぃぃ!」

バタバタバタ!!!
追いかけてもなかなか追いつく事は出来ない。

中山はサッカーで鍛えている素早さで俊敏に机と机の隙間をすり抜けて逃げていく。

私はスポーツは得意ではないので…
ドテッ!

机にひっかかってよく転けた。

中山以外の男子にもからかわれて転けたりしたが大抵はみな逃げる。…でも『中山』は違った。

「バカだなぁ…」と私の所に駆けつけて来てとりあえず怪我が無いことだけ確認し、友達の所に戻って行く。

そんな一本筋通ってるヤツだから男子にも一目置かれていて人気ものなのだ。

私もヤツの魅力は充分わかっていた。だから、からかわれても幸せな気持ちでいられた。

本当に傷つきそうな子にはからかうなんて事はしないし、テストの成績もいつもトップ3に入っていて…。運動神経も良バツグン。

私は隠れて尊敬していた。こっそり中山の鉛筆の持ち方を真似してみたり、中山の好きな音楽を聴いたり…。


…私の初恋だったろうな。

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