《MUMEI》 秀皇大学ボールから、 「ピー!!」 試合が始まる。 「1本行きましょ〜!!」 秀皇大学センター、 麻倉がボールを回す。 (また厄介な奴が相手だな… こいつはパスのモーションが速い上にロングもあるからな。 でもま、 今日はヤマトさんと俺が3枚目だし… あの時みたいには行かせね〜。) 高校時代に麻倉と試合経験のある翔太は、 ポジションチェンジから来る秀皇得意の移動型のセットプレーを思い出していた。 「サイド上がって。」 麻倉の指示から、 左サイドの選手が上へ。 「中入れんな!!」 キーパーの恭介が叫ぶ。 その言葉通り、 2枚目を守る不和と、 3枚目を守るヤマトはサイドがポストへ入るのを許さなかった。 サイドと45のクロスは成功したものの、 行き場を失ったサイドが邪魔になる。 「1個ずれて!!」 崩れたオフェンスを立て直す為、 左45が左サイドへ。 センターが左45へ。 右45がセンターへ。 そして左サイドが右45へと入った。 (…どこでも出来るってことかい。) 修正の速い秀皇大学のオフェンス。 だが、 ギャラリーが移動するオフェンスに注目する中で、 クロの視点は別のところへ向けられていた。 前へ |次へ |
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