《MUMEI》 ◆「お〜い、宵!」 「ん〜? 何やどないしたん涼」 今、オレに話しかけてきたんが──水無瀬涼。 中学の頃からのダチやねん。 「宵、お前も一緒に売店行かね?」 「あ〜、オレ今日財布忘れてん」 「じゃあ──俺が奢ってやるよ」 「ええて、オレ飯食わんでも平気やから」 「食わねーでいると午後の授業ちゃんと出来ねーぞ、ほら」 「午後眠たなるんはしゃーないやんか〜」 「いーからほらっ、売店行くぞ〜っ」 「ちょっ、痛い痛いッ」 俺は涼に肩抱かれて──仕方なしに売店に向かった。 前へ |次へ |
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