《MUMEI》 丁度、 那加の部屋から見える桜の所に来た。 「わぁ、夜桜──」 那加は、 桜の木を見上げて嬉しそうに言った。 月明りに照らし出された桜は、 本当に綺麗だ。 「ひなた──」 「どうした‥?」 「夢みたい」 「夢‥?」 「うん、夢みたい」 「夢──‥」 「何かね、すっごく幸せなの。今、あたし──すっごく幸せ」 「───────」 すっごく幸せ>氛 初めてだ。 那加がそんな事を言ったのは。 「良かった──」 何だか、 俺も幸せだ。 前へ |次へ |
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