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《MUMEI》 「──姫サマ」 「なっ‥何よ」 「──ご命令を」 「きゅ‥急に畏まらないでよ‥」 「嫌か？」 「‥そんな事‥言ってないじゃない」 「では、どうぞ」 「～～～～～～‥」 「姫サマ‥？」 「じゃあ‥」 那加は、 一呼吸分位の間を空けて、 「キスして」 そう、 言った。 「ホッペじゃなくて──」 「ぇ‥」 那加を目の前に、 俺は硬直した。 まさか、 ２度もキスをせがまれるなんて思わなかったし‥ 口にしろと命令されるとも‥ 思ってなかった。 確かに那加は、 〝ほんとは口が良かった〟とは言っていたけど‥。 前へ |次へ |
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