《MUMEI》

「‥‥‥日向?」

「───────」





ふわふわするような、

不思議な感覚がして‥

俺はぼんやりとしていた。





「ひーなーたっ」

「‥ぁ‥」





那加の声で、

我に返った。





「どうしたのよ日向?」

「‥‥‥ぃゃ‥」





ただ‥

いきなりで、

かなりビックリした‥。





「日向ぁ」

「‥?」

「‥眠くなっちゃった‥」

「‥‥‥ぇ、那加?」





そういえば、

もう11時を過ぎている。





大抵10時には寝ている那加が、

眠くないはずはない。





「お休みなさいませ、姫サマ──」





俺は、

那加をお姫様抱っこして、

病室に連れて行った。

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