《MUMEI》

雅治「やけに、突っ掛かるな、美樹」

美樹「別に…」

雅治「言いたい事が有るなら、はっきり言えよ」

真樹「喧嘩は止めようよぉ…」

美樹「じゃあ聞くけど!」
真樹の言葉を無視して、美樹がエキサイトした

美樹「私が、また、妊娠したら、また、無理矢理、中絶させるの!」

雅治「妊娠したらな」

美樹「!なっ……」
「…道具だもんね…私は…」

雅治「美樹が妊娠する確率は低いよ…」
「以前、処置した先生が言ったんだ…」

美樹「えっ…」

雅治「美樹が以前にも、中絶した形跡があると、先生から聞いた」
「2回目の処置になると…」
美樹「…」

雅治「何度もすると、産めない身体になる事もあるそうだ…」

美樹「私…産めないの?…」

雅治「そこで、先生に頼んで、1年近く、妊娠しにくい身体にしてもらったんだ…」

「アメリカでは、合法化されてるが、日本では、違法らしい…」

美樹「えっ…?」

雅治「まぁ、10ヶ月ぐらいは90%以上の確率で、避妊できるらしいよ…」

美樹「な、何で言ってくれなかったのよ!」

雅治「言いそびれただけだ、他意は無い」

美樹「ばかぁ、私、不安だったんだから…」

雅治「…すまなかったな…」
「泣くなって…」
「面倒くせーなぁ、たく…」

美樹と真樹を片腕づつ、抱いて

雅治「今日は休め…疲れたろ…」
「後は明日考えような…」 
 
 
代官山のマンションは、1人1部屋有る

朝、俺がリビングに行くと 
真樹「雅治さん、お姉ちゃんと同じように、処置したいんだけど…」

雅治「!」

美樹を見た

美樹「出来る?」

雅治「…」

美樹「真樹の希望なの…」
雅治「藪医者だぜ…、いや、元医者だ…」

美樹「もぐりでも、腕が確かなら…普通の病院じゃ…面倒だよ……」

雅治「わかった、手配する…」

その日の午後

真樹は中絶し、避妊の処置を 

美樹も、避妊の再処置をした…
 
 
帰りの車の中
 
美樹「私は、あそこで処置されたんだね」

雅治「そうだ、俺が、無理矢理な…」

美樹「看板はないけど、しっかり病院してたね」
「もっと、汚い所だと思ってた…」

雅治「……真樹、大丈夫か?」

話題を変えたかった…

真樹「うん…まだ…実感ないけど…」

美樹「麻酔切れてくると痛むよ」

雅治「しばらく、ゆっくりしてな」

そのとき、美樹の携帯が鳴った

美樹「誰だろ?…」

美樹『はい…』
『そうです…』
『えっ!……』
『はい……わかりました……』

美樹…肩を落としてた

雅治「…」

美樹「…お母さん…亡くなってるって…」

真樹「えっ!!!」

悪い事って…
なんで、こう繋がるんだ!!

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