《MUMEI》

群馬の山中で発見された遺体
 
間違いなく、美樹、真樹の母親だった…
 
外傷は無く、
死体解剖の結果

病死した後で、死体を遺棄した可能性が高いということだった…
 
 
親族との交流の無い、彼女達は、ひっそりと、葬儀を済ませ、
父親の待つ、公営墓地に埋葬した
 
美樹「お墓の中でも仲良くしてね…」

真樹「天国で、2人一緒だよね…」

俺はただ、手を合わせる事しかできなかった…
 
 
帰る車の中

美樹「あの墓地は、佳祐が準備してくれた所なんだ…」
「皮肉だよね…」

真樹「…」

雅治「…」

適切な言葉が見付からなかった
 
俺はサンルーフを開け、タバコに火を着けた
 
少しだけ、春の香りがするような気がした
 
もうすぐ3月…
 
勝敗が決まるのは、もう直ぐだ…
 
…明るい、材料は何一つとしてなかった…
 
 
 

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