《MUMEI》

那加をベッドに寝かせてやってから、

俺は何だか喉が渇いて‥

自販機に向かった。





「──日向君?」





その声に、

俺はビクッと肩を上げた。





「か‥佳代子さん‥」

「那加ちゃんとどうだった?」

「ぁ‥ハイ、那加──楽しんでくれたみたいで」

「ふふっ、良かった」

「佳代子さん達のお陰です。ありがとうございました」

「お礼を言うのはこちらの方よ」

「ぇ」

「日向君がいなかったら──那加ちゃんは楽しめなかったと思う」

「俺が‥いなかったら‥?」

「ええ」

「───────」





何だか、

くすぐったい気分だ。





「──お疲れ様」

「ぁ‥ありがとうございます」

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