《MUMEI》

「17に‥なったら‥?」

それって来年じゃ‥。

「いいのか? あんまり急ぐとやなんだろ?」

「そうでもないよ?」

何故か、

千代子は本気みたいだ。

「あたしも早い方がいいし」

「無理に合わせなくていいぞ‥?」

「合わせてないよ、全然」

「───────」

「そうしよっ。ねっ」

「‥ぁぁ‥」

あんなに、

早い早いと言っていた千代子が。

いきなり、

来年に式を挙げようと言ってきた。

「‥シロ?」

「よしっ」

「ぇ」

「教会の下見行くか。──なっ」

「今から‥!?」

「今から」

「──────‥」

「どうした?」

「ううん、なーんでーもない」

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