《MUMEI》

病室に戻って、

那加の寝顔を覗き込む。





──可愛い。





「〜〜〜〜〜〜‥」





那加は、

何かの夢を見ているらしい。





「‥ひなた‥ぜんぶたべちゃだめ──」

「‥?」





全部食べちゃ駄目‥?





‥何をだ‥?





「‥ぁ」





もしかしたら‥

普通の食事を食べられるようになった夢を見ているのかも知れない‥。





「───────」





早く‥

色んな物を食べられるようにしてやりたい。





前みたいに、

楽しい食事が出来るようにしてやりたい。





那加の、

穏やかな寝顔を見つめながら、

俺は、

強くそう思った。

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