《MUMEI》

千代子を連れて、

近所の教会に来た。

「──うわぁ、こんな風になってんだ教会の中って──」

千代子は、

初めて見るらしい教会の中の様子に、

目をキラキラさせている。

「すっごいね──」

「結構立派な教会だよな」

「しかも結構綺麗だし」

「──挙式のご予定ですか?」

「!?」

シスターか‥?

「失礼しました、驚かせてしまったようですね──」

「ぁ、いえ‥、全然‥」

「そちらの方は──」

「許嫁です、俺の──」

「そうですか──可愛らしいお嬢さんですね」

シスターの台詞を聞いて、

千代子は赤くなった。

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