《MUMEI》 那加の葛藤那加の誕生日から、 1週間。 俺は、 佳代子さんに呼ばれて病室から出ていた。 暫くして戻ってみると、 那加が床の上で背中を丸めて唸っていた。 「那加‥!?」 駆け寄って、 抱き締めてやる。 けど、 那加の腹痛は一向に治まる気配がない。 ベッド脇のブザーで‥ 佳代子さんを呼んだ。 「──どうしたのっ?」 「‥那加が‥」 「ベッドに寝かせるから‥手伝ってくれる?」 「はい‥」 ‥何だか、 頭の中が真っ白だった。 前へ |次へ |
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