《MUMEI》 「‥大丈夫か‥?」 「‥‥‥うん」 ようやく腹痛が治まった那加。 けど、 表情は相変わらず曇っている。 「──食べなきゃ良かった‥」 「ぇ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 那加は無言で、 サイドテーブルを示した。 そこには、 俺が昼に少しだけ残していたカレーがあった。 「食べた‥のか‥?」 「‥もしかしたら‥大丈夫かも、‥って‥」 自分で自分を抱き締めるようにしながら、 那加は途切れ途切れに言った。 前へ |次へ |
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