《MUMEI》
酒は自分の限界を知って飲め!
「ん…頭痛てぇ……」
目が覚めると俺はベッドの上にいた。
「ココ、どこだ…?」
見覚えのない部屋を見回していると、そっとドアがあいた。
―ガチャ…―
「あ、起きたんだ。」
「は?り、竜崎?」
「おはよう。」
竜崎は爽やかな笑顔で挨拶してきた。
「おぅ…ってかなんでお前がいんの?」
「だってココおれン家だもん。」
ベッドと向かい合わせになっているソファに腰掛けながら、竜崎はサラリと答えた。
「は?で、なんで俺がお前ン家にいんだよ…」
頭痛が酷くて頭を押さえながら不機嫌に聞いた。
案の定、二日酔いになったらしい。
「ウッソ!マジで?覚えてないの?!」
「……えっと…」
ズキズキする頭で必死に思いだそうとするが、全く覚えてない。ただ、二日酔いの割には身体が軽く感じるのはわかった。
「悪い、覚えてねぇわ。相当酒入ってたみたいで…」俺は申し訳なさそうに答えた。
「ふ〜ん…お酒、ね。じゃあコレも覚えてないんだ」竜崎はそう言うや否や、おもむろに上着を脱いだ。
「何だよ、ソレ。」
首筋やら胸元やら、いろんな場所に紅い斑点みたいなモノが沢山浮き出ている。「キスマーク。」
竜崎の口元がニヤつく。
「キスマークってお前…」ニヤつきながら俺をジッと見据える竜崎。

なんか嫌な感じ…
まさか………!?

「俺…?」
「大正解!」
両人差し指で俺を指しながらふざけた様に言う。
「いや〜沢村君ってかなりのSだったんだねぇ。おれまだお尻が…」
「ちょちょっ!ちょっと待て!!ケ…ケツってまさか最後まで…?」
続きを聞くのが怖くなったが、恐る恐る聞いた。
「したよ。しかもアオカン。」
あっけらかんと答える竜崎を見て、俺は血の気が引いていくのがわかった。

なんてこった…マジで行動に移してしまうなんて…

断片的にだが、徐々に記憶が甦ってきた。

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