《MUMEI》

「ぁ、‥先生達──ここでお昼してたんですね」

「ぁぁ、みんなは食堂やからな──」





先生は、空になったパンの袋をクシャクシャと丸めながら答えた。





「卯月達は──屋上で食ってたのか?」





そう訊いてきたのは水無瀬先生。





はい、とあたしが頷くと、水無瀬先生が眞野先生の肩を小突いた。





「おい、今チャンスなんじゃないか?」

「へ‥、な、何言うとん‥?」

「水無瀬先生? 眞野先生?」

「ぁ‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」




小声で話していた先生達が、私の方を向いて固まった。

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