《MUMEI》 ◇「ぁ、‥先生達──ここでお昼してたんですね」 「ぁぁ、みんなは食堂やからな──」 先生は、空になったパンの袋をクシャクシャと丸めながら答えた。 「卯月達は──屋上で食ってたのか?」 そう訊いてきたのは水無瀬先生。 はい、とあたしが頷くと、水無瀬先生が眞野先生の肩を小突いた。 「おい、今チャンスなんじゃないか?」 「へ‥、な、何言うとん‥?」 「水無瀬先生? 眞野先生?」 「ぁ‥」 「‥‥‥‥‥‥‥」 小声で話していた先生達が、私の方を向いて固まった。 前へ |次へ |
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