《MUMEI》

「‥ちょっとだけなら大丈夫かもって‥、でも‥お腹痛くなって‥」

「───────」

「‥ごめん‥」

「那加は悪くないだろ‥?」

「でも‥迷惑かけたじゃない‥。日向にも‥佳代子さんにも‥」



那加の声は、

震えて‥

どんどん小さくなって‥

聞こえなくなった。





その途端、

嗚咽が聞こえ出した。





「那加‥?」

「っ‥食べちゃダメって‥分かってたけど‥」

「───────」

「あたしだって食べたいよ‥色々‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」





‥何て言葉をかけてやればいいのか。





‥どう慰めてやったらいいのか。





分からなくて‥

俺は何も言えなかった。

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