《MUMEI》

『ひあああぁッ!!』



つい先程まで加奈子と笑い合っていた声が、悲痛な叫びに変わっていた。



――― パンッ!



1発の銃声の後、その声は聞こえなくなった…。



『助けてく!』……パンパンッ!

…パンッ!



残された客の命乞いの声を、一つずつ銃声が掻き消してゆく。



――― チャリリ…ン………



金属片を床にバラ撒いたような音が収まると、部屋の中はようやく静かになった…。



加奈子はテーブルの下で頭を抱え、震えながら息を殺すことしか出来なかった…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫