《MUMEI》

「──ならいいけど」

千代子は、

またもう一つ──

小石を蹴った。

「また明日から学校だね」

「ぁぁ、そうだな──」

「また屋上でお昼食べれるかな、一緒に」

「お前が休まなければ、な」

「休む訳ないじゃん」

「確かに──お前皆勤だったよなぁ」

「凄いでしょ♪」

「おう、凄い凄い」

そう言って頭を撫でてやったら、

千代子は恥ずかしそうに俯いた。

「子どもじゃないんだから止めてよ‥」

「子どもだろ? まだ」

「そうだけど‥」

納得いかない様子で、

千代子は呟いた。

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