《MUMEI》

「イチゴミルク‥イチゴミルク‥」





呟きながら、

自販機に向かう。






「イチゴミルクは──えっと‥」

「あら──日向君お使い?」

「ぁ‥ハイ。──さっきはありがとうございました」

「ふふっ、私はただ駆け付けただけよ」

「いえ、お陰で助かりました──」

「ほら、那加ちゃんの所に早く戻ってあげて」

「ぁ‥ハイ‥」





そうだった‥。





早く戻らないと‥

那加がまた不機嫌になり兼ねない。





「じゃあ、し‥失礼します」

「ええ、また夕食の時間になったら那加ちゃんの病室にお邪魔するわね」

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