《MUMEI》
「それで──イチゴミルクは？」

「ぁ‥買って来た。──ほら」

「‥ありがと」





ツン、

とした素振りで、

那加は言った。





紙パックを受け取って、

ストローを刺して飲み始める。





「───────」

「美味しいか‥？」

「──うん」

「‥那加」

「‥‥‥何‥？ 飲んでる時に話しかけないでよ」

「‥これ」

「何よ、これ──」

「リボン。髪に付けたら似合うと思って」

「‥あたしに買って来たの‥？」

「ぁぁ」

「‥頼んで‥ないじゃない」

「気に入らないか‥？」

「‥そんな事言ってない」





少し乱暴に、

俺の手からリボンを取ると、





「‥‥‥ありがと」





那加は、

そう言ってくれた。

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