《MUMEI》

おばあさんは、病院に入院することをしませんでした。


主治医の先生に何度言われても、自分の家からは離れない、離れられないと言いました。


日に日に弱っていく、おばあさんの身体


タロウと散歩に行くことも、もうできなくなりました

寝たきりのおばあさんは、庭で座っているタロウに、何度も謝りました


『タロウ、ごめんね、散歩、行きたいね…』


しかし、タロウは散歩に行けなくても平気でした


『おばあさんに、生きてほしいから』




歩けないおばあさんの代わりに、タロウは町に出ておつかいをしました


おばあさんの財布を持って、町の人が作ってくれた料理を、おばあさんに届けました


そんなタロウの凛々しい後ろ姿を見るたびに、町の人は泣いていました


おばあさんがいなくなったら、タロウはどんなに悲しむことだろう


考えるたびに、胸が苦しくなりました

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