《MUMEI》 「結んでやろうか?」 「──いい。自分でやる」 那加は鏡を前に、 リボンを髪に結ぼうとする。 でも、 上手くいかないらしくて。 「〜〜〜‥何よこのリボン‥全ッ然結べないじゃない」 那加は、 少し不機嫌気味だ。 「ひなたぁ、結んでよ」 「ハイ、姫サマ」 右側の髪を一束持ち上げて、 そこにリボンを結んでやる。 「──よし、出来た」 「───────」 「那加‥?」 「リボンなんか付けたの初めて──」 那加は、 ポッとほっぺたを染めていた。 前へ |次へ |
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